文香に思いをのせて
「ふみ」とは、古くからの日本の言葉で「手紙」を表します。スマートフォンが一般的になった現代、手紙を書く機会も減ってきています。しかし、手紙にまつわる、品々には素敵な嗜好を凝らしたものもたくさんあります。その中から私が頻繁に使用するアイテムをご紹介します。
文香(ふみか)
文香は「ふみか」と呼びます。天然の香木を細かく刻んだものを香料として、季節感のあるモチーフの和紙で包んだ、匂袋のようなものです。
お手紙を送る際に、忍ばせる文香は、
いただいたお手紙の封を開いた時、スッーと漂う和の香り。入れる季節などに決まりはありませんが、梅雨のジメジメした時期などにはよく使われています。ほんの一瞬の爽やかな香りで、暑さが少し緩和されたり、優しい気持ちになったり、期待される効果は絶大です。和雑貨を中心に扱う、鳩居堂、嵩山堂はし本、などではたくさんの種類の文香が並びます。
花ふみか「紫陽花」(鳩居堂)
絵形香「唐草鉄線」(日本市ecute東京店)
文乃香「金魚鉢」(嵩山堂はし本)
文香の歴史は、平安時代に遡ります。紙に香りをたきしめ、恋文とともに送っていました。恋文は必ずしも姫君が開けるとは限りません。女房や乳母が代わりに開け、男性を品定めすることも。そんな時、恋文の中に、文香が添えられていたら、印象に残ることもあったのでしょう。
□東京鳩居堂銀座本店
〒104-0061 東京都中央区銀座5-7-4
□日本市 ecute東京店
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内1F サウスコート内
□嵩山堂はし本 銀座店
〒104-0061 東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座6F
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