花を使った 日本の美しい言葉
~SAKURA~
日本には桜の咲く頃に使う憂ある言葉があります。桜を花と呼び、「花」を使った言葉です。日本語の美しさを知る上で、最も大切なこの時期に、「花」を使った言葉をご紹介したいと思います。
花曇り(はなぐもり)
桜の花の咲く頃の曇りや霞んだ空のことを表す言葉です。花をつけた桜の木々を遠くから眺めたことはありますか?うっすらと靄が立ちこめたような色。この時期だからこそ、ただの曇りとは表現せず、花をつけて、花曇り。たくさんの桜の花が咲き乱れて、曇り空のよう。といったのです。この写真もなんとなく靄がかかったような感じに写っています。
花明り(はなあかり)
満開の桜の花の下では、あたりはほんのり明るくなることから花明りという言葉が生まれました。桜の花の白が満開になり重なり合う時、そっと見上げたら、その明るさに気づくかもしれません。
花疲れ(はなづかれ)
花見の時期に、宴会続きで疲労感が増したり、むせるほどに咲き誇る花を見すぎて、少し花に酔ってしまい、疲労感を感じたりした時に使う言葉です。桜の咲く頃にしか使わない言葉。今宵も花疲れの人達を見かけるでしょう。
花の鏡(はなのががみ)
水面に花が映る状態をいいます。水のきれいさと光の加減がぴったり合った時、
水面が鏡のように磨き上げられ、桜が映り込みます。そんな風景も日本独特です。
花筏(はないかだ)
私が最も大好きな日本語です。桜の散る様が美しいと思うのは日本人だけでしょうか?満開の桜もきれいですが、散りゆく桜も美しいものです。桜の花が散り行く時、水面を花びらが埋めます。その様子が筏のように見えることから、花筏と呼ぶようになったのです。
花筵(はなむしろ)
桜の花びらが散り、一面を埋めることをいいます。筵は、竹や藁などの植物で編んだ敷物のことです。桜の散った花びらが筵のように敷き詰められているという状態の時に使用します。
この他にも、「花」が付く言葉がたくさんあります。また、次の機会にご紹介していきたいと思います。
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